活躍する同窓生
経済学部1部経済学科第30期
昭和58年卒業
武田 一樹さん
北海道東急ビルマネジメント株式会社 専務取締役
現在のお仕事についてお尋ねします
現在、私は札幌市白石区に本社を置くじょうてつグループ、東急グループのビルメンテナンス会社、北海道東急ビルマネジメント(㈱)で業務統括の任に就いています。
弊社は所謂ビルメン業といわれる清掃、警備、設備管理業等を通じて公共施設、病院、民間ビル、ホテル、店舗、オフィス、レジデンス等不動産物件の維持管理最前線を担う道内中堅の企業であります。道内主要6都市の拠点と本社営業拠点を合わせ、330箇所の事業所(現場)を総勢1,100名のスタッフで運営しています。現場は1名から100名規模まで実に様々な態様でスタッフの内1,000名は短時間就労の方々です。厚労省が言うところの「非正規労働者」です。何が「非」なのか、この呼称は理解に苦しみますが、現場を支えてくださっているのは間違いなく彼らであり、そのESの深堀が最大の経営課題と私は捉えています。
さて、この業界にもイノベーションの波がやってきました。
弊社でも小型ドローンによるビル外壁診断やモバイルデバイスを使った勤怠管理システムを遅まきながら導入いたしました。自律走行タイプの清掃ロボットについては期待が大きい分、今後の改良型の動向に注目といった現状ですが、この手のものは突然の進化を遂げるのが常で目が離せません。弊社では取組の緒に就いたばかりではありますが、DX推進は他社との競合から抜け出す為にも継続的な事業発展の為にも欠くべかざるものと考えています。個人的にも好きな分野ですので。
札幌市内の再開発事業が新幹線札幌延伸の2030年に向け、いよいよ佳境に入ってきました。東急グループが参画している開発物件も多数あり、大きなビジネスチャンスが続きます。そして私自身もこの変革期の渦の中にほんの僅かとはいえ仕事を通じ参加させて頂けることに喜びを感じています。 現場を支えてくださっている方々と超自律型ロボットと一緒に働く夢を見たりするのです。
北海学園大学での思い出についてお聞かせください
卒業してから40年以上が経ち社会は劇的に変わってきました。
30数年前には東西冷戦が終結したものの、平和で美しい未来への期待は裏切られその後様々な原理主義が勃興し世界のイデオロギーを支配する時代となりました。
若い頃自分の一番の興味だった大排気量エンジンのクルマは今や環境悪化悪玉の象徴で主流はなんとデンキです。心ときめいたラブレターや文通は既に死語と化しました。
取って代わったSNSが収集したデータに基づくアルゴリズムの深化は世代間の分断を推し進めただけなどと旧世代には批判されますがどうでしょう、その先に見えてきたAIの飛躍的進化と活用は現代社会が抱える問題課題の解決に資するものとなるかも知れません。
「なにごとも変わって行くのです」
私は決して真面目な学生ではありませんでした。
また学業優秀ということは当然なく、4年間でなんとか卒業免状を頂いたクチです。
人並みの遊びを覚えモラトリアムなムードを発散する悪友達とバイトにいそしんだ4年間でした。 ただ好奇心だけは旺盛でして自然科学や世界史、近代美術やロシア文学(勿論翻訳物)など学業以外の本の虫でもありました。そんな日々に感じていたのは「興味や価値観」、「好き嫌いやスタイル」はもっと自由で勝手でいいんじゃないかという気分です。その後私は40年に亘る会社員生活を送る中で若き日に感じた社会に対する違和感をどんどん薄めてきました。
同窓生へのメッセージをお願いします
若き同窓の皆様におかれましては既存の価値観とのギャップに全人格的に取り込まれることなくそれに抗い新しい価値創造を目指して社会で活躍されるのも意義あることかも知れません。
大きく偏り、間違っている見方かも知れませんが、変わらないものというのは本当に少ないのではないか、進歩なきものは存在が許されないのがこの世の決め事なのではないか。そんな風に感じる訳です。 皆様の今後の活躍を不良先輩の一人として心より期待しております。