活躍する同窓生

札幌市中央区にて印章と印刷の「トクイ印房」を経営しています。1966年に印章彫刻技能士であった父が創業し、私は本学卒業後、東京・神保町の老舗大手印章商社にて3年間学び、1993年に帰札し自社入社、2002年に代表となりました。
ご印章、ゴム印、スタンプ類をはじめ、名刺からパンフレット、広報紙制作などの各種印刷物制作を主としており、多くの法人、個人のお客さまにお引き立ていただいています。ものづくりの業として、お客様の期待を上回るお品を提供できるよう努めています。
2018年より4年間、唯一の印章業界団体である公益社団法人全日本印章業協会の会長を拝命し、折しも直面した「脱はんこ」の潮目において、政府による突飛な喧伝や一部大臣の慇懃無礼な発信に対し、業界を代表し陳情、抗議を行いました。コロナ禍も相まったデジタル化の渦中にあって印章の使用頻度は減ってはいますが、今後も印鑑登録制度は堅持され、法人も個人も意志の証明を託し、権利、財産を守るための証として印章が果たす役目は重く残ります。

真面目な学生であったゆえ（笑）、各学年度末までにはきっちりと単位と成績を揃えていたかと思います。本学での学びを何か残るかたちにしたいと思い、当時提出義務の無かった卒業論文を新進の指導教授（会計学・染谷芳臣先生）のご指導で書き上げたことと、教職課程（地理学・筒浦明先生）を履修し、出身高校（札幌西高）にて教育実習を行いました。
また塾講師から地下鉄軌道検査など多種多様なアルバイトを続け、まとまった休暇のたびに単車で野宿旅に出ていました。ひと月かけて日本一周をした夏もありました。学びに遊びにと濃い時間を共有した友人たちは、狭かった私の視野と行動範囲を拡げてくれ、今でも親交を深めています。

同じ学び舎で学び、育ったことのご縁は、世代は違えど強く共感を覚えます。本学がますます多くの才能を輩出し、地元北海道を中心に実務、実業で大きな推進力となっていることを、大変心強く、また誇れることと感じます。引き続きご厚誼いただきますようお願いいたします。